ちょくルート Magazine

  • 2018/05/10
  • ちょくマガ編集部

「無期雇用転換ルール」派遣社員の認知は?

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労働契約法の改正により、「無期雇用転換の申込権発生」が2018年4月からスタートしています。これにより、同一事業主で通算5年を超えた有期契約労働者が、無期雇用転換を申し出る権利が発生します。スタッフは、このルールをどう捉えているのでしょう。

無期雇用転換「ルールを知らない」30%、周知までは行き渡らず

月刊人材ビジネスが発表した派遣スタッフ満足度調査によると、ルールの認知については、「知らない」という人が約30%(図表6)でした。認知は若干進んではいるものの、周知が行き渡っているとは言いがたい結果です。また、「派遣会社からの働きかけによって知っている人」は17.9%と2割に満たず、「派遣会社からの働きかけで知っているが、詳細までは知らない人」は16.2%存在しています。

人材ビジネス:第29回派遣スタッフ満足度調査(図表6)

派遣会社の影響大!?ルールを知っているかの分かれ目とは

また調査によると、知っているキッカケとして、派遣会社の担当から聞いたことがある一方、「派遣会社から知らされておらず、ニュースで漠然と知っているが、詳細までは知らない」という人は22.5%、「ルールの存在自体知らない」人が30.8%となり、派遣会社の担当者から説明がきちんとあるかないかが、認知の鍵となっているようです。

無期雇用転換にはあえて申し込みしない!?

人材ビジネス:第29回派遣スタッフ満足度調査(図表7)

無期雇用転換の申込権が生じた場合、どういう判断をするのでしょう。最も多い回答は「あくまで正社員になりたいので申し込まない」で39.5%となりました。(図表7)認知が進むにつれ、「正社員」への志向を明確にする人が多くなっているようです。無期雇用転換についての各社の方針は様々ですが、定着促進のために無期雇用派遣社員を一定数増やしたいと考えるなら、「無期雇用の派遣で働くことのメリット」を明確にする必要がありそうです。

派遣で長く働きたいと思える条件とは何か

人材ビジネス:第29回派遣スタッフ満足度調査(図表4)

無期雇用の派遣社員を含め、「派遣」で長く働きたいと思える「条件」として、派遣スタッフが派遣会社に望んでいることは何でしょうか。

「長く働きたい」と思える条件には、「評価による時給アップ」や交通費、ボーナスの支給など「待遇向上」といった実質的なメリットの提供を上げる人が多いようです。(図表4)

また、「正社員になる」「もっと条件のいい仕事に就く」など、次のステップに進むためのアドバイスを希望する人が7.6%、正社員なみの教育・研修機会を提供して欲しいという人が9.4%と、キャリアアップについて派遣会社に求めている意見もあります。
派遣会社による「キャリアアップ措置」=キャリアアップ支援の機会提供が、いかに実質的なキャリアアップにつながるかがカギのひとつだと言えるでしょう。

キャリアコンサルティング経験者は増えるも、支援の実感は未だ薄い

人材ビジネス:第29回派遣スタッフ満足度調査(図表8)

改正派遣法で義務化された「契約終了時の雇用安定措置」と「教育訓練の実施、希望者に対するキャリアカウンセリングの実施などキャリアアップ措置」は、派遣会社としてはより真摯に向き合わなければならないテーマですが、その姿勢はスタッフに届いているのでしょうか。

まず、「雇用安定措置」においては、契約終了時に「相談の機会すら設けてもらっていない」人が、28.5%いるようです(図表8)。前回の同様の調査から僅かに減少したものの、いまだ4人に1人以上の人が該当しています。

人材ビジネス:第29回派遣スタッフ満足度調査(図表9)

さらに「キャリアアップ措置」の「教育訓練」においては、「派遣会社が教育研修を提供していることを知らなかった」という人が半数以上(図表9)という結果になっています。

各派遣会社で取り組む雇用安定措置や、教育訓練の仕組みの広報はスタッフに広く届いていない状況なので、「自分のために働きかけてもらっている」という当事者意識を持てていないスタッフが一定数いるということになります。

「キャリアコンサルティングが役に立った」20.8ポイント増加

人材ビジネス:第29回派遣スタッフ満足度調査(図表10)

派遣会社の提供するキャリアアップ措置の取り組みについては、いまだ認知が進んでいるとは言えない状況ですが、キャリアアップ措置の中で重要な位置づけを占める「キャリアコンサルティング」については、「派遣会社の提供しているキャリアコンサルティングを受け役に立った」という人の割合が前回の15.7%から36.5%と20.8ポイントの増加が見られました。(図表10)

今回、各派遣会社別にみると、キャリアコンサルティングを受けた人の割合と満足度の総合評価には明確な相関が見られなかったようなので、キャリアコンサルティングの活用が進んでいることが一概に満足度の向上と直結するとは言えないですが、今後、キャリアコンサルティングの利用をうまく雇用安定措置や教育研修制度と結びつけて、それぞれのスタッフが望むキャリアモデルを提示し支援できる派遣会社が、派遣スタッフからの信頼を獲得していく可能性があると言えます。


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