ちょくルート Magazine

  • 2018/07/04
  • ちょくマガ編集部 秋場

迫る『法定雇用率』の引き上げ、障害者雇用を成功させるために必要なこと3つ

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障害者採用に関わる担当者なら、常日頃意識する「法定雇用率」。
どうしても法定雇用率という「数字」に目が向きがちですが、重要なのは「障害のある人が適性を活かし、長く活躍できる」ことなのです。そこで、障害者雇用をこれから始める企業が抑えるべき大切なポイントをまとめていきます。

そもそも「障害者雇用率制度」とは?

全ての事業主は従業員の一定の割合以上の障害者を雇用することが義務づけられており、これを、「障害者雇用率制度」といいます。障害者雇用促進法によりその割合が定められており、近年その割合は引き上げ傾向にあります。
この平成30年4月からも法定雇用率が変更され、民間企業でいえば2.2%、つまり常時雇用している労働者が45.5人以上の事業主から障害者を雇用する義務が発生することとなりました。
障害のある方と一緒に働くということは、決して特別なことではありません。障害の有無関係なく、共に生きる社会を実現するために着実に進んでいく必要があるのです。

仕事を整理し、何を任せるのかを明確にすることからスタート

障害者の雇用を始める前にやるべきなのは、現状の業務を棚卸し、その中で任せたい業務を割り出すことです。例えば、事務職と言っても業務は広範囲に渡ります。決まったフォームを元に入力する作業、いつも同じようなファイルをPCで処理する作業など、パターン化しやすい業務は比較的お任せしやすい業務といえるでしょう。
ただし、繰り返しの作業が苦手な人もいますし、障害の種類によってはプログラミングやデザインなど、複雑でクリエイティブな業務を得意とする人もいます。事前にどのような人に来てもらいたいのか具体的にイメージし、ミスマッチを防ぐことが大切です。また、これを機に業務の整理をし、人や場合によって異なるあいまいなルールを止め、障害有無関わらず誰でも働きやすい職場を目指しましょう。

やりがいや成長を見据えたキャリアプランを一緒に考える

次に、雇用した障害者にやりがいを感じてもらえるようキャリアプランを考えましょう。
法定雇用率が上がることによって、それだけ障害者の雇用先が多様化して就業先も選べるようになってきたとも考えられます。そのため雇用主側が雇用率をキープできればいいかという態度で居続けると、責任ややりがいを感じたいという想いを持つ障害者側は満たされず、よりよい雇用先を求めて転職してしまうことになるのです。

障害の有無関わらず、働く人の多くは社会の一員としての承認欲求を持ちます。長く活躍できるためにはこの職場でどのようなスキルアップをしていきたいか、してほしいか、定期的に面談するなどして、認識がずれないようにすり合わせする努力が、大切な人材を損失しないための一つのカギです。

「合理的配慮」を浸透させると社内コミュニケーションが活発に

障害を持つ従業員を受け入れるには、社内の理解浸透をさせることも重要です。
なかでも、障害者の方と社会生活を送る際に欠かせない考え方として「合理的配慮」があり、必然的に社内のコミュニケーション機会を創出することになります。

合理的配慮とは、障害のある人が障害のない人と平等にすべての人権を享受し、行使できるよう、一人ひとりの特性や場面に応じ、個別に調整したり変更したりすることです。
障害のある人を雇用するにあたり、その障害の種類や特性によって、必要な「合理的配慮」は異なります。なかには手伝いたいが、「どこまで配慮したらいいか分からない」という既存社員もいる可能性もありますので、合理的配慮についての考えを会社として持っておくことも必要かもしれません。

身体障害を持つ従業員への合理的配慮とは

例えば、身体障害のある人には、職場の段差解消やレイアウトの考慮など、安全に働いてもらうための物理的な合理的配慮を最初に整えることが必要でしょう。大幅な改装が必要な場合は予算にもよりますが、身体障害の場合は、一度環境を整えればその後は大きく見直す必要がないということもあるかもしれません。

知的障害、精神障害を持つ従業員への合理的配慮とは

一方、知的障害や精神障害のある人の場合、障害状況は千差万別です。一般的な合理的配慮が適切かどうかは周囲が(時には本人も)判断しがたく、個別に適宜な配慮が必要となることがあります。周りが気づきやすく理解が比較的得られやすい身体障害のある人に比べ、適切な理解が得られにくい傾向があることも一因かもしれません。
例えば指示の出し方でも、一般的には写真やイラストを使って示した方が理解しやすいと言われますが、余計な刺激が苦手な人の場合はメールで簡潔にした方が良いこともあります。また、体調を天候に大きく左右される人がいれば、気象条件を考慮しながら業務目標を立てる必要もあるかもしれません。ある程度実績がある企業であっても、いつも前例通りとは限らず、逆に180度異なる対応が必要となる事もあるでしょう。

障害を持つ人が安心して働ける環境作りのために、豊富な知識のある求職者雇用支援機構など、専門機関にいつでも相談できるようにしておく必要があるでしょう。

まとめ

障害者の雇用を進めていくと、余計な業務の見直しができ、全体の仕事が効率よく進んだり、目標設定が進みやすくなるメリットがあります。また、必然的に全体のコミュニケーションが増えることで社内の活性化や人材流出の減少も期待できるので、「障害者が働きやすい職場=誰でも働きやすい職場」と言えるのです。

平成33年4月からはさらに0.1%(民間企業は2.3%へ)の法定雇用率の引き上げが決まっており、障害のある人と共に働くことは当然という流れになっています。
法定雇用率は数字上、常にキープしているけれど、実際は人の入れ替わりが激しい、という見かけ倒しはもう通用しません。今後も生き残る、優良な企業の条件の1つは「障害のある人が定着し、活躍している企業」ともいえるのかもしれません。

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