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  • 2018/08/01
  • ちょくマガ編集部

愛のギロチン ~Part3「自分にしかできない求人とは」

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黙っていると、大貫はどこか宣言するように続けた。


「だから、俺は死ぬまであそこにいるんだ。医者は仕事なんて辞めて休めって言うけど、あそこが俺の家なんだからよ。

あそこで死ねれば本望さ。


だが、俺の人生はそれでいいが、あいつらはどうなる?

俺が死んだ後、どうなる? 

もしこれであの会社がダメになってみろ、俺は八十吉に顔向けできねえ。死んでも死にきれねえ」



……ただの口の悪い老人だと思っていた大貫の人間性に触れ、何かが溶けていくような感覚がある。


一方で、このような重要な案件に自分がふさわしいのかどうか、どうしても自信が持てない。


「……俺は……どうすればいいんでしょうか」


「そんなもん、俺がわかるわけねえだろうが」


大貫が笑う。……そりゃそうだ、と自分でも思う。


「だけどな」大貫は笑っていた。

「前に来た求人広告の営業マンは、そんな思いつめた顔はしていなかったぜ」


「え?」


「家まで押しかけてきて、すんませんって、泣いたりなんてしなかったよ」


「……」


「俺は古い人間だからよ……結果が良ければ全て良し、とは思えねえんだ。


結果がどうであれ、こいつに頼んで良かったと思える奴と仕事がしてえ。


少なくとも今のお前の顔は、多賀岡工業のことを真剣に考えてるように見えるがな」

「大貫さん……」



「俺はギロチンのプロだ。お前は求人のプロ。

今日の泣き言は武士の情けで聞かなかったことにしてやる。

お前はお前のやり方で、精一杯やってみろよ。謝るのはそれからでも遅くねえだろ?」

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